本日は京町家の保全・再生への取り組みについて、
後半の部分をお話ししていきたいと思います。
少し前に京都市が京町家に対して行っている「なんでも相談」や
「京町家カルテ、京町家プロフィール」について書かせて頂きました。
今回は京町家を所有している方に対する京都市が
行っているお得な支援制度を紹介させて頂きます。
こちらは京町家条例に基づく指定区域内の京町家や個別指定の京町家を対象に、
京町家の保全・継承に必要となる改修工事にかかる費用の一部を補助する制度になります。
外部改修、設備改修、内部改修工事に対して、
補助対象費用の1/2で上限100万円もしくは250万円まで補助されます。
(※対象の京町家により対象工事と上限金額が変わります)
また、過去10年以内に補助を受けた箇所以外であれば、
上限額に達するまで何度でもご利用できるとのことです。
京町家を所有していて改修したいが費用を抑えたいという方にはお得な制度となっております。
こちらは京町家条例に基づく個別指定の京町家を対象に、
日常的な維持修繕にかかる費用の一部を補助する制度になります。
上記1.制度対象の京町家より、制度を受けれる京町家の要件が厳しくなっていますが、
その代わりに日常的な維持修繕の費用を補助してもらえます。
補助対象費用の1/2で上限30万円になります。
修繕箇所は道路その他公共の場所から見える部分に限られますが、
修繕箇所が異なれば、毎年上限まで補助を受けれるとのことです。
1と違い異なる箇所であれば毎年受けられるので、
京町家を綺麗なまま維持をしていく方にとってはとてもメリットのある制度になっております。
1.2.ともに補助金申請し、補助金交付が決定した後の工事が対象になります。
事前に工事した場合は対象外になりますのでご注意ください。
京都市に登録された専門業者が京町家の改修方法や活用方法を京町家を継承・
活用したい方とのマッチングなど提案・助言する制度になります。
前回紹介させていただいたなんでも相談と似ていますが、京町家を継承・
活用したい方で方向性が定まっている方には嬉しい制度だと思います。
(参照:京都市 京町家の保全・再生
https://www.city.kyoto.lg.jp/menu4/category/53-10-0-0-0-0-0-0-0-0.html )
どれも京町家所有者に寄り添った制度になりますが、特に補助金制度は京町家を継承・
保全していきたいという方に大きな支援となる制度となっています。
京都市の京町家保全・継承への強い意欲が感じ取れます。
京町家を活用される方は是非、京都市の支援制度を上手に
使っていただければ想定しているより低い費用で活用できるかもしれません。
以上、前回と今回にわたり、京都市の京町家に対する支援制度を大まかに書かせて頂きました。
あくまで、2021年4月5日現在のものになりますので変更する可能性があります。
詳しい内容や条件についてはその都度、京都市のHPをご覧頂ければと思います。